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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) 029 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) 029 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) 029 |
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管理番号 | 1011413 |
異議申立番号 | 異議1998-92023 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2000-09-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-10-26 |
確定日 | 1999-10-22 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4169662号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4169662号商標の指定商品中「炭火造りによるもの以外の納豆」についての登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4169662号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙(1)に示すとおりの構成よりなり、平成5年3月1日に登録出願、第29類「納豆」を指定商品として、同10年7月24日に設定の登録がされたものである。 2 登録異議の申立ての理由 これに対して、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、別紙(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和58年6月28日に登録出願、第32類「納豆」を指定商品として、平成10年1月23日に設定登録されている登録第4105440号商標(以下、「引用商標」という。)を引用して、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、また、引用商標は申立人の業務に係る商品「納豆」を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている商標であるから同第15号に該当し、さらに、本件商標は、商品の品質について誤認・混同を生じさせるおそれがあるから同第16号にも該当する旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証を提出している。 3取消理由の通知 平成11年2月23日付けで、商標権者に下記の取消理由を通知した。 本件商標は、その構成中に「炭火造り」の文字を有するものであるから、これがその指定商品中「炭火造りによるもの以外の納豆」について使用されるときは、その商品が「納豆菌の発酵を促すために炭火が使用されて製造されたものである」かの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見 上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べている。 登録第3032248号商標は、「炭火造り納豆」と同様の意味を持つ「炭火納豆」の文字を有するものであり、又、登録第4105440号商標も「炭火造り」の文字からなるものであるが、両商標の指定商品は単に「納豆」であって、炭火造りによるもの以外の納豆を包含している。この両商標が登録されているにも拘らず、同じ性格を有する本件商標だけを前記の理由で登録を取消すことは法の公平を著しく欠如する判断であって、商標権者にとって到底承服し得るものではない。 5 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第16号について 本件商標は、別紙(1)に示すとおり、その構成中に「炭火造り納豆」の文字を有してなるものであるところ、申立人の提出に係る甲第5号証「月刊 消費者(昭和63年4月1日 財団法人日本消費者協会 発行)」によれば、「炭火造り」とは「納豆菌の働きを活性化するための手段。納豆菌の周囲を一時期、炭火で酸欠状態にし、次に一気に酸素を送るという製法。炭火造りのよさは、独特の風味。」との記載を認めることができる。 してみれば、「炭火造り」は、納豆の製法の一つであり、しかも、独特の風味を造り出す効果を有するものと認められるから、「炭火造り納豆」の文字を有してなる本件商標をその指定商品中の「炭火造りによるもの以外の納豆」について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、該商品が「納豆菌の発酵を促すために炭火が使用され、独特の風味を有する納豆」であるかの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本件商標の指定商品中「炭火造りによるもの以外の納豆」については、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について 本件商標は、別紙(1)に示すとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「炭火造り納豆」の文宇部分は、上記(1)において述べたとおり、商品の製法、品質を普通に用いられる方法で表してなるものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものとして把握・認識され、その構成中の図形部分が商標としての機能を果たすものというべきである。 他方、引用商標は、別紙(2)に示すとおりの構成よりなるものであり、長年使用した結果、その特異な構成態様により、識別標識としての機能を果たすに至ったものと認められる。 してみれば、本件商標は、引用商標とその外観、称呼及び観念において類似するものとすることはできない。 また、本件商標は、その指定商品について使用しても、引用商標と類似するものでなく、引用商標を想起させるものでもないから、需要者が、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。 その他、本件商標の登録を取り消すべき理由及び証拠は、発見しない。 (3)以上のとおり、本件商標の指定商品中「炭火造りによるもの以外の納豆」についての登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものであり、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないものであるから、同第4項の規定により登録を維持する。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別記 |
異議決定日 | 1999-09-01 |
出願番号 | 商願平5-19690 |
審決分類 |
T
1
651・
272-
ZC
(029 )
T 1 651・ 271- ZC (029 ) T 1 651・ 262- ZC (029 ) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 内山 進 |
特許庁審判長 |
佐藤 敏樹 |
特許庁審判官 |
板垣 健輔 上村 勉 |
登録日 | 1998-07-24 |
登録番号 | 商標登録第4169662号(T4169662) |
権利者 | 有限会社オーサト |
商標の称呼 | 1=スミビズクリナ+ツト- 2=スミビズクリ |
代理人 | 鈴木 正次 |
代理人 | 松丸 国雄 |
代理人 | 涌井 謙一 |