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審決分類 |
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 |
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管理番号 | 1011064 |
審判番号 | 審判1998-35361 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-09-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1998-08-10 |
確定日 | 2000-01-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4102238号商標の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4102238号商標の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4102238号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、平成8年3月14日に登録出願、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く),乗馬靴」として、平成10年1月16日に設定登録されたものである。 第2 請求人所有の引用商標 (1)登録第2349820号商標(以下「引用1商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)、かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成1年1月27日登録出願、同3年11月29日に設定登録されたものである。 (2)登録第2415744号商標(以下「引用2商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運道具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)、レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、平成1年1月27日登録出願、同4年5月29日に設定登録されたものである。 (3)登録第4003959号商標(以下「引用3商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊服を除く。)、布製身回品(他の類に属するものを除く。)、寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成1年1月27日登録出願、同9年5月30日に設定登録たものである。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証の4を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標「zucca」は、引用1商標、引用2商標と一致し、外観、称呼において同一である。本件商標の指定商品中、「靴(『靴合わせくぎ‥は除く』)、靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具、げた、草履類、運動用特殊衣服、運動用特殊靴(『乗馬靴』は除く)、乗馬靴」は、引用1商標、引用2商標の指定商品の下位概念であり、抵触する。従って、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 引用3商標は、デザイナー小野塚秋良の姓「onozuca」に由来し、小野塚秋良の「zucca」ブランドとして被服(特に婦人服)を中心として広範囲に著名である。従って、本件商標の指定商品中、「ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト」が小野塚秋良の「zucca」ブランドの被服と同一の店で展示、販売されれば、小野塚秋良の一連の「zucca」ブランド商品と混同するおそれが高く、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、その理由を「本件商標は、請求人との合意に基づき出願され登録されたものであるから、本件商標を無効にすることについて、請求人は利害関係を有していない。」旨述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。 第5 当審の判断 (1)利害関係について 本件審判請求は、請求人の所有する引用1商標、引用2商標、引用3商標の商標を使用する権利に係るものであるから、請求人は、本件審判を請求することについて利害関係を有するものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用1商標及び引用2商標とは、ともに「ZUCCA」の文字を書してなるから、外観において類似し、「ズッカ」の称呼を同じくする類似の商標である。 そして、本件商標の指定商品中「靴類(『靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具』をのぞく),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類」は、引用1商標の指定商品中「はき物」と同一又は類似するものであり、本件商標の指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(『乗馬靴』を除く),乗馬靴」は、引用2商標の指定商品中「運道具」に含まれるものである。 してみれば、本件商標は、指定商品中「靴類(『靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具』をのぞく),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(『乗馬靴』を除く),乗馬靴」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 甲第7号証の1ないし甲第10号証の3によれば、デザイナー小野塚秋良は、昭和49年に株式会社三宅デザイン事務所に入社、平成1年にパリコレクションでレディースの「ZUCCA」を発表、これが評価され、平成2年、年間を通じファッション界で最も優れた成果を上げた人に与えられる「毎日ファッション大賞」を受賞し、フランス版のファッション雑誌「MODE」2月号ではジャーナリストの選ぶ「1990年春夏コレクションベスト3の評価対象として選ばれ、アメリカ版のファッション雑誌「VOGUE」8月号には、「ZUCCA」で知られる小野塚秋良の評価が掲載されている。 さらに、平成5年、雑誌「marie claire」にもデザイナー小野塚秋良とそのネーミング「ズッカ」が紹介され、平成6年、ファッション文化研究誌「装苑アイ」では、消費者対象の調査結果として、憧れのブランドに「ズッカ」も見られ、繊研新聞では、女子学生5000人を対象としたファッションスタイルのアンケートでは「ズッカ」が注目ブランドとして上がっている。 また、本件商標の登録出願直後である平成8年4月には月刊雑誌「MORE」4月号には、商品ショルダーバッグ、ジーンズ、スカート、シャツ、靴、ワンピース等について、デザイナー小野塚秋良に係る商品の広告として「ZUCCA」「ズッカ」の商標が見られる。 上記の事実からすると、少なくとも本件商標の登録出願前には、「ZUCCA」の引用3商標は、株式会社三宅デザイン事務所出身のデザイナー小野塚秋良のデザイナーズブランドとして、被服等ファッション性を有する商品を取り扱う業界において広く認識されていたものというのが相当である。 そして、本件商標は、「ZUCCA」の文字を書してなり、その指定商品中「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」と引用3商標を使用している商品「被服」等とは、ともにファッション性を有し、日常、一般需要者にも極めて身近に購入され、使用される密接に関係する商品であり、その需要者層を共通にするものである。 そうすると、本件商標をその指定商品中「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」に使用した場合、デザイナー小野塚秋良又は同人と組織的経済的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。 してみれば、本件商標は、指定商品中「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づき、その指定商品の全部についてその登録を無効とする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別記 |
審理終結日 | 1999-11-01 |
結審通知日 | 1999-11-16 |
審決日 | 1999-11-19 |
出願番号 | 商願平8-27769 |
審決分類 |
T
1
11・
261-
Z
(025 )
T 1 11・ 271- Z (025 ) T 1 11・ 262- Z (025 ) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山内 周二 |
特許庁審判長 |
小松 裕 |
特許庁審判官 |
平松 和雄 大渕 敏雄 |
登録日 | 1998-01-16 |
登録番号 | 商標登録第4102238号(T4102238) |
商標の称呼 | 1=ツッカ 2=ズッカ |
代理人 | 福島 三雄 |
代理人 | 藁科 孝雄 |
代理人 | 野中 誠一 |