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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 132
管理番号 1011046 
審判番号 審判1998-31013 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1998-10-02 
確定日 1999-12-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第2673456号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2673456商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第32類「食肉,その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和61年9月29日に登録出願、平成6年6月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は、指定商品中『加工食料品』についてこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と主張し、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出している。
請求の理由
本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内において指定商品中「加工食料品」に使用されていない。また、本件商標には専用使用権は設定されていない。加えて、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権の通常使用権者も存在していないことが確認できる。
したがって、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものである。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を下記の通り述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第8号証(枝番号を含む)を提出している。
答弁の理由
(1)以下に示すように、被請求人は、自ら経営する「にんにくや」の店舗で、本件商標出願前から本件商標を商品「加工食料品」に使用しており、本件審判の請求に係る登録取消しの要件には該当しない。
▲1▼登録商標の使用主体 有限会社にんにくや
(被請求人が代表取締役)
▲2▼権利者との関係 通常使用権
▲3▼使用商品 「店舗で提供する料理」を同時にテイクアウト商品としている(乙第1号証)。
▲4▼使用場所 東京都渋谷区恵比寿1丁目26番12号(店舗所在地)
▲5▼使用開始年 1983年
▲6▼証明にかかる資料
a)写真(乙第2号証)
撮影年月日 1998年12月7日
撮影対象 包装用袋
撮影者 住所 東京都江戸川区南篠崎町1-22-5
氏名 鈴木 一永
b)写真(乙第3号証)
撮影年月日 1998年12月7日
撮影対象 ガーリックトースト
撮影者 住所 東京都江戸川区南篠崎町1-22-5
氏名 鈴木 一永
c)写真(乙第4号証)
撮影年月日 1998年12月7日
撮影対象 ガーリックライス
撮影者 住所 東京都江戸川区南篠崎町1-22-5
氏名 鈴木 一永
d)伝票(乙第5号証-1,-2)
発行日 1998年8月22日
内容 テイクアウト伝票(ガーリックトースト)
(2)証拠の説明
▲1▼上記のように、本件商標は、被請求人の経営するにんにく専門料理店「にんにくや」のマーク及び商品商標・役務商標として、営業開始から現在まで使用され、途中若干の態様変更をへて現在のマーク(乙第6号証)に至っている。
▲2▼この被請求人の経営する「にんにくや」は、エスニック料理店として東京では広く知られている有名店ではあるものの、開店から16年恵比寿の1店舗のみの営業で店舗のチェーン展開は行っていない(乙第7号証-1乃至同第7号証-3)。
この店では、開店以来その場で料理の提供を行うほか、原則として全ての提供料理についてテイクアウトも行っている。被請求人は係る商品についての本件商標の使用を第三者の侵害から防衛すべく本件商標権の取得に至っている。
▲3▼テイクアウトに際しては、通常乙第2号証で示した包装用袋を用いて商品の提供をしている。
このテイクアウトは、レストラン利用者の求めに応じて又は、ガーリックトースト又はガーリックライスについては、飲食とは別に買い求めに来る場合もある。尚、1990年頃に、店のマークを若干変更した為、現在では写真にある態様(乙第2号証乃至同第4号証)及びメニューや領収書に示された態様(乙第1号証,同第6号証)の二つのタイプのマークが併存して各種商品・役務に使用されている。
▲4▼添付の商品の写真(乙第3号証,同第4号証)は、最近撮影したものであるが、提供料理をテイクアウトとして販売する場合、大がかりに商品販売を行う訳でないため、その都度オーダーに応じて調理を行い、アルミホイル包み(同第3号証)又は専用容器(同第4号証)に詰めて、店の包装用袋(同第2号証)にいれて販売するのが常である。つまり、テイクアウト用の専用カウンターや専用メニュー表等は用意されていない。したがって、現在の時点で過去に販売された料理を直接的に証明できないため、現在の写真を添付した次第である。
▲5▼次に取引の事実を証明するため、伝票の写しを提出する(乙第5号証-1,同第5号証-2)。この店の伝票は1枚1枚に日付を記さず、その日の全売上を示すレジペーパーと共に一つにくくられて保管されているため、日付を示す同第5号証-1と、テイクアウトの事実を示す同第5号証-2を証拠として提出した。伝票の日付が1998年8月22日となっており、審判請求登録前の使用の事実が確認できる。また、テイクアウトの対象商品は「ガーリックトースト」であり、この商品は「加工食料品」に含まれるサンドイッチ類似の商品と考えられる為、指定商品「加工食料品」について使用していると考えられる。更に、テイクアウトか否かの区別は伝票上段に書き込まれている。
本来、料理店であることからテイクアウトのみの伝票は少数であるが、添付の如く実際に存在しており、特に、本件商標は商品「ガーリックトースト」、「ガーリックライス」について長年使用されてきている。この事実は、添付の資料に加えて長年の利用客・取引者に証明を依頼している。
▲6▼利用客・取引者に依頼していた証明を乙第8号証として提出する。
乙第8号証-2乃至同第8号証-6は、被請求人の経営する飲食店の常連客であり、同第8号証-1は、被請求人の古くからの取引先である。
これにより、本件審判請求前3年以内に、本件商標をその指定商品中「加工食料品」に含まれる「ガーリックトースト」又は「ガーリックライス」について、被請求人の経営する「にんにくや」の店舗で使用をしており、本件審判請求に係る登録取消しの要件を具備していない。
4 当審の判断
被請求人提出の乙各号証を総合勘案するに、本件商標は、被請求人により、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「加工食料品」の範疇に属するものと認められる「ガーリックトースト」及び「ガーリックライス」について使用されている事実を認め得るところである。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別記

審理終結日 1999-09-22 
結審通知日 1999-10-08 
審決日 1999-10-18 
出願番号 商願昭61-103590 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (132 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 沖 亘飯塚 隆 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 宮下 行雄
滝沢 智夫
登録日 1994-06-29 
登録番号 商標登録第2673456号(T2673456) 
商標の称呼 1=ニンニクヤ 
代理人 鈴木 正次 
代理人 涌井 謙一 
代理人 忰熊 弘稔 

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