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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 107
管理番号 1011005 
審判番号 審判1997-13692 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1997-08-13 
確定日 2000-01-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第2153334号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2153334号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和60年12月11日に登録出願され、別紙に示す構成からなり、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令別表に基づく類別(以下、「旧類別」という。)第7類「換気孔材、自然換気する金属製及び合成樹脂製のベンチレーター、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年7月31日に設定登録され、該登録に係る権利は、平成11年3月9日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中「リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証(枝番を含む)を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品中「リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」(以下、「一部取消請求に係る商品」という。)について、本件商標の商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれによっても継続して3年以上日本国内において使用されている事実は見出せないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録をその指定商品中上記商品について取り消すとの審決を求める。
(2)平成10年1月14日付の答弁書において、被請求人が立証するところは、被請求人が本審判請求の登録前3年以内に、本件商標を商品「換気口」、すなわち「ベンチレーター」について日本国内で、使用しているとの点である。しかしながら、被請求人は一部取消請求に係る商品と、本件商標の使用に係る商品「ベンチレーター」との関係を何等立証していない。
(3)被請求人は、答弁書において本件商標の使用の立証方法として、使用に係る商品の写具(乙第1号証)、使用に係る商品のカタログのコピー(乙第2号証)及び顧客向け請求明細書(乙第3号証)を提出している。
▲1▼ 乙第1号証をもって、本件商標が「換気口=ベンチレーター」に使用されており、その商品が本件商標の指定商品に係る商品であると被請求人は結論付けている。しかし、請求人は「換気口=ベンチレーター」であることについて不知である。故に、この点についての立証を求める。▲2▼ 乙第2号証をもって、本件商標の使用に係る商品がABS樹脂及びポリスチレン製であるから、一部取消請求に係る商品に該当することは明白である、と結論付けている。しかし、これによって、本件商標の使用に係る商品の材質は分かるが、その用途が建築または構築専用であるか否かについては、請求人は不知である。よって、その商品が一部取消請求に係る商品に該当することの立証を求める。
▲3▼ 乙第3号証をもって、理解できることは、特約店名に電気メーカーが多く、かつ、商標「FRESH」を付する商品が「電気コネクション」、「電気ジョイント」、「気流プログラム(排気システム)」、「リモートコントローラー」等という電気系部品と共に取引されている事実である。つまり、本件商標の使用に係る商品「ベンチレーター」が「建築または構築専用材料」の取引業界で取り扱われていることは立証されておらず、本件商標の使用に係る商品が「旧第7類 建築または構築専用材料」に含まれる点が明確になっていない。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む)を提出している。
(1)被請求人は、一部取消請求に係る商品について、審判請求の日前3年間に登録商標を使用している。本件商標は権利者であるスウェーデン国のルンディン アンド ニルソン スウェド エービー社が、同社の製造に係る商品「換気口」に使用され、日本国内では札幌市厚別区厚別中央2条3丁目5-38のディックス株式会社が当該商品を現在も継続して輸入販売している。
▲1▼ 乙第1号証として、本件商標の使用に係る商品の写真を提出する。乙第1号証の1及び2は、本件商標の使用に係る商品「換気口」、すなわち「ベンチレーター」であり、これに付して使用している下げ札の拡大写真が乙第1号証の3である。この乙第1号証により、本件商標と同一の態様で使用されていること、及び商品がスウェーデン国で製造され、日本にて輸入販売されている「換気口=ベンチレーター」であり、当該商品が本件商標の指定商品に係る商品に該当するものであることは明瞭である。
▲2▼ 乙第2号証として、本件商標の使用に係る商品のカタログのコピーを提出する。このカタログにより本件商標の使用に係る商品がABS樹脂(Acrylonitorile-butadiene-styrene)及びポリスチレン製であり、一部取消請求に係る商品に該当することは明白である。なお、商標「Fresh」に続く数字80/100はベンチレーターの口の直径を表しており、80は80mm、100は100mmを示すものである。
▲3▼ 乙第3号証として、請求明細書(控)の一部分を提出する。乙第3号証の1は本件商標の使用に係る商品の輸入販売業者であるディックス株式会社が、株式会社北海道日立旭川に1997年1月17日に当該商品を発送販売したことを証明するものであり、同第3号証の2ないし10らは1997年2月5日より1997年5月31日までに当該商品をそれぞれの顧客に販売したことを示すものである。
(2)本件商標の指定商品は、登録原簿に記載されているように「第7類 換気孔材、自然換気する金属製及び合成樹脂製のベンチレーター、その他本類に属する商品」である。
本件商標の使用に係る商品は、乙各号証から明らかなように、「換気孔材」あるいは「自然換気する合成樹脂製のベンチレーター」であって、これは「建築専用材料」であり、第7類の商品区分に所属するのであって、該商品区分で設定登録されたものである。
すなわち、乙第1号証の下げ札の拡大写真から明らかなように、本件商標の使用に係る商品は家屋等の建造物壁面に設置して「換気口」となる「換気孔材」であり、この「換気孔材」に付いているヒモを引っ張ることにより換気口の開閉が交互に行えるものであって、これは「自然換気」であって何らの動力機は附属していない。しかも、乙第2号証により、合成樹脂製であることも明確である。
(3)請求人はその弁駁書において、『「換気口=ベンチレーター」が、いかなる点において本件商標の指定商品の一つであるかを明らかにすべきである』あるいは乙各号証の商品が、一部取消請求に係る商品に該当することを立証することを要求している。
被請求人は、乙各号証にて提示した商品に、当初から使用するために、用途、材料及び目的を具体的に明瞭に表示したものである。すなわち、第7類に登録出願したこと、「換気孔材、自然換気する金属製及び合成樹脂製のベンチレーター」の記載から、その商品は建築専用材料であることは明白である。
4 当審の判断
(1)本件商標の使用の事実を証明するものとして被請求人が提出した乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む)を徴するに、
▲1▼ 本件商標の使用に係る商品の写真とする乙第1号証の1ないし3からは、該商品が家屋等の建造物壁面に設置されヒモを引張ることで開閉操作を行う換気するための機器であること、及び本件商標と同一の態様からなる商標が使用されていることが認められる。
▲2▼ 使用商品のカタログとする乙第2号証からは、掲載されている商品が上記▲1▼と同一の商品であり、加えて、その説明より材質が合成樹脂製であること、穴の口径が80mmの商品は部屋面積20m2が目安であること及び電動機を用いない自然換気式であること等の点が認められる。
▲3▼ ディックス株式会社作成に係る請求書兼請求明細書(控)とする乙第3号証の1からは、仕様の欄に「Fresh-80本体」、「Fresh-80セット」及び「Fresh-100本体」の記載と共に物件名の欄にその施工(設置)先が個人住宅と推認させる「○○邸」の記載、建築会社の欄に「○○建設」及び商品発送年月日として97年1月17日の各記載が認められる。そして、ディックス株式会社は被請求人(商標権者)に係る商品の輸入販売者であって、本件商標の事実上の通常使用権者と認められる。その他、同第3号証の2ないし6についても同様の記載が認められ、商品発送年月日として97年2月5日(同第3号証の2)、同97年3月1日(同第3号証の3)、同97年3月3日(同第3号証の4)、同97年3月5日(同第3号証の5)、同97年3月21日(同第3号証の6)、の各記載が認められる。
また、同社作成に係る請求明細書(控)とする乙第3号証の7ないし10からは、商品名の欄に「Fresh-80室内側本体」及び「Fresh-100室内側本体」の記載と共に物件名として、その施工(設置)先が個人住宅と推認させる「○○邸」の記載及び請求日付として1997/5/20又は1997/5/31の各記載が認められる。
以上の乙各号証によれば、本件商標は、▲1▼我が国において、その通常使用権者であるディックス株式会社により、▲2▼本件審判請求の登録日(平成9年9月10日)前3年以内に、個人住宅向けに使用される合成樹脂製の自然換気型の換気用ベンチレーターについて、使用されている事実が認められるものである。
(2)本件商標は、旧類別による第7類「換気孔材、自然換気する金属製及び合成樹脂製のベンチレーター、その他本類に属する商品」を指定商品とするものであって、これに本件商標の使用に係る商品が含まれることはその表示からして明らかであり、かつ、本件商標の使用に係る商品は、専ら建築業者、建材業者との間で取引されているように(乙第3号証の1ないし10)、建築構成部材の一であって、旧類別第7類に属するプラスチック製建築材料、すなわち、一部取消請求に係る商品「リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」に包含される商品と認められる。
(3)してみると、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む)を総合勘案するに、被請求人(商標権者)は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを主張、立証し得たものというべきである。
また、請求人は、被請求人の平成11年2月3日付第2答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別記

審理終結日 1999-11-15 
結審通知日 1999-12-03 
審決日 1999-12-10 
出願番号 商願昭60-123908 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (107 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 秀之中嶋 容伸 
特許庁審判長 原 隆
特許庁審判官 高野 義三
渡口 忠次
登録日 1989-07-31 
登録番号 商標登録第2153334号(T2153334) 
商標の称呼 1=フレッシュ 
代理人 森本 義弘 

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