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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 016
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 016
管理番号 1010944 
審判番号 審判1998-10570 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-07-06 
確定日 2000-02-10 
事件の表示 平成8年商標登録願第73654号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「新しい科学」の文字を書してなり、第16類「紙類,雑誌,新聞,教科書,学習参考書,学習問題集,学習練習帳,その他の印刷物,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,製図用具,タイプライター,輪転謄写機」を指定商品として、平成8年7月3日に登録出願、その後、指定商品については、当審において平成10年7月6日付の手続補正書により「紙類,雑誌,新聞,教科書,学習参考書,学習問題集,学習練習帳,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,製図用具,タイプライター,輪転謄写機」に補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『新しい科学』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定商品中、例えば上記事項を内容とする著作物に使用する場合は、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の印刷物に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「新しい科学」の文字を書してなるものである。そして、これを本願の指定商品中の「教科書,学習参考書,学習問題集,学習練習帳」(以下「教科書等」という)について使用するときは、科学の教科書等の題号であって、その内容が新しいことを示すものとのみ取引者・需要者に理解されると認められ、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していない。
請求人は、教科書は、教科書検定に合わせて定期的に発行される印刷物であり、また、その内容も固定的でなく、発行されるたびに変化し、一定の特定の内容を有しない印刷物であるから、その題号は雑誌や新聞の題号と同様に、著作物としての内容を表現するものでなく、自他商品を識別する機能を有する旨主張し、教科書の内容に合わせた学習参考書等についても同様に主張する。
しかし、検定に合わせて教科書が定期的に発行され、また、発行のたびに内容の改訂があるとしても、科学の教科書であれば、科学教育の目的にかなう内容のもののみが採用収録されることは明らかであって、それ以外のものは収録されないといえるから、種々の分野の記事が合わせて掲載されるのが通常である雑誌や新聞と教科書等とを同列に考えて、無条件に教科書等の題号が商品の内容を示すものでなく、自他商品の識別機能があるとすることはできないから、この点の請求人の主張は採用できない。
また、請求人は、毎年出版される膨大な量の教科書等を識別するために、そのタイトル(題号)即ち商標は、非常に重要な識別要素となっており、その意味で教科書業界において、教科書等のタイトル(題号)は、商品を識別する商標として正に機能している旨、また、この商標の識別力を認めず登録しないことは、他人が同一類似の教科書等のタイトルを使用することを容認する結果となり、かえって業界に混乱を生じ、健全な流通取引秩序の維持を図る商標法の精神に反する結果となる旨主張する。
しかし、本願商標は、前記のとおり、科学の教科書等の題号と理解されるものであり、自他商品の識別を可能にする標章部分を有していないから、特段の理由がない限り、取引者・需要者に出所標識としての商標としては認識されえないというのが相当である。確かに、内容を示しているというほかない教科書等のタイトル(題号)によって、事実上、これらが識別される場合があることを否定しないが、そのような場合があることを考慮しても、教科書等のタイトル(題号)については、どのようななものでも無条件で一般的に識別力があるとまで判断することはできない。また、本願商標は、特段の理由により識別力があるとも認められないから、前記の請求人の主張も採用できない。
そうしてみると、本願商標は、これをその指定商品中の「教科書,学習参考書,学習問題集,学習練習帳」のうち、科学の教科書等について使用するときは、商品の品質(内容)を表示するものというべきであって、自他商品の識別機能を果たしえず、また、前記以外の教科書等に使用するときは、科学の教科書等であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-11-19 
結審通知日 1999-12-10 
審決日 1999-12-21 
出願番号 商願平8-73654 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (016 )
T 1 8・ 272- Z (016 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏大森 友子 
特許庁審判長 秋元 正義
特許庁審判官 芦葉 松美
宮川 久成
商標の称呼 1=アタラシイカガク 
代理人 木村 高明 

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