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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない 041
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない 041
管理番号 1009343 
審判番号 審判1998-18886 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-30 
確定日 2000-01-12 
事件の表示 平成8年商標登録願第122550号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「生命エネルギー」の文字を横書きしてなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,講演会の企画・運営・又は開催」を指定役務として、平成8年10月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、人間の生命エネルギーが一般的に『気』であると説明されているところ、気(生命エネルギー)に関して人を集めて技芸・知識等を教える所の意味合いを認識し理解させる『生命エネルギー教室』の文字を表してなるから、これを本願指定役務中『気(生命エネルギー)に関する技芸・知識の教授,気(生命エネルギー)に関する講演会の企画・運営又は開催』に使用しても、単に役務の質・内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は上記構成からなるところ、構成中の「生命エネルギー」の文字は、一連の熟語としては国語辞典等に搭載されていないものであるとしても、例えば、集英社発行「imidas’99」の「気功」の項に「中国の伝統的な健康法で、気功法ともいう。生命エネルギーの『気』を体の内側から強化、作り上げていく方法。」と記載されているように、健康法の一つである気功に関する分野や健康・医療等の分野においては、「生命エネルギー」の語を、「生命の原動力となる勢い。活力の源」を意味する「気」(岩波書店発行「広辞苑第5版」参照)と同義のものとして理解し認識されているものといえる。このことは、以下のように新聞報道されていることからも首肯し得るものである。
例えば、朝日新聞記事データベースによれば、94.03.05付朝刊、岡山版には、「‥‥『気は生命エネルギーと言い換えてもいいと思う。これが低下すると様々な病気になるようです』‥‥」と、94.05.20付朝刊、兵庫版には、「‥‥″気″は一般的に生命エネルギーと説明されるが、‥‥」とそれぞれ記述され、日経新聞記事データベースによれば、90.09.29付本紙夕刊1頁には、「‥‥目に見えない生命エネルギー『気』を鍛錬する‥‥」と、91.01.10付日経流通20頁には、「中国で古代から伝わる宇宙・自然・生命を成り立たせている『根源的生命エネルギー』。その気を感じ、‥‥」とそれぞれ記述され、読売新聞記事データベースによれば、88.04.30付東京読売夕刊4頁には、「‥‥体内に流れる″生命エネルギー″である《気》を活性化する‥‥」と、89.03.13付東京読売夕刊13頁には、「一種の生命エネルギーである『気』と、‥‥」と、90.08.04付東京読売朝刊25頁には、「生命エネルギーの『気』を体の内側から‥‥」と、91.09.12付東京読売夕刊9頁には、「‥‥人間の生命エネルギーである『気』について‥‥」と、95.03.04付東京読売夕刊6頁には、「宇宙全体を満たしている気(一種の生命エネルギー)、‥‥」とそれぞれ記述されている。
また、請求人の提出に係る甲第2ないし甲第7号証はインターネットの各ホームページの写しと認められるが、そこでも「生命エネルギー」の語が用いられており、特に、甲第3号証では「生命エネルギー<気・血・水>」と表示され、生命エネルギーに気が含まれることを示しているほか、例えば、「気の健康美容教室」と題するホームページでは、「この健康法を続けることによって気(生命エネルギー)が活発になり、‥‥」の記述がされている。
そして、本願商標の構成中の「教室」の文字は、岩波書店発行「広辞苑」(第5版)によれば、「技芸などを教える所」を意味する語であることが認められ、例えば、「健康美容教室」、「気功教室」、「健康整体教室」のように、当該技芸の名称に続けて「○○教室」と表示して一般に広く用いられているものである。
以上の事実からすれば、本願商標は、上記意味合いの「生命エネルギー」の語と「教室」の語とを結合したものと容易に認識し得るものであり、全体として上記生命エネルギーに関して教える所の意味合いを看取せしめるものというのが自然である。
そうすると、「生命エネルギー教室」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標は、これをその指定役務中「生命エネルギーに関する技芸・知識の教授,生命エネルギーに関する講演会の企画・運営又は開催」に使用しても、これに接する取引者、需要者はその役務の質(内容)を表示したものと理解し認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。また、本願商標を上記役務以外の指定役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、当庁における審査例を掲げ、種々述べているが、掲げられた審査例は、本件とは事案を異にするものであり、上記認定・判断に影響を及ぼすものではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-10-28 
結審通知日 1999-11-16 
審決日 1999-11-30 
出願番号 商願平8-122550 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (041 )
T 1 8・ 272- Z (041 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 金子 茂
特許庁審判官 大橋 良三
石田 清
商標の称呼 1=セイメイエネルギ-キ+ヨ-シツ 2=セイメイエネルギ- 3=イノチエネルギ- 
代理人 中村 政美 

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