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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 117 |
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管理番号 | 1006345 |
審判番号 | 審判1993-11225 |
総通号数 | 6 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-06-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1993-05-31 |
確定日 | 1999-11-24 |
事件の表示 | 平成3年商標登録願第133653号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「POLO M.ELLIOT」の文字を書してなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)布製身回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品とし、平成3年12月25日に商標登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、その構成中に米国の服飾メーカーであるポロバイラルフローレン社が同社の商品に使用して世界的に著名な商標『POLO』を有してなるものであるから、このような商標を出願人がその指定商品に使用するときには、恰も上記会社と何等かの関係を有する商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。 3 請求人の主張 ポロバイラルフローレン社の「POLO」なる商標は、何らかの図形又は何らかの文字と併用するなり、さらにはその他色合い、大きさ、字体、輪郭模様等の条件が具体的に決められてこそ初めて、特定の意味をもち、かつ需要者に対しポロバイラルフローレン社の製品であることを認識させられるもので、「POLO」の文字入りの商標が、多数現存するにもかかわらず、突如として本願商標に対し、「POLO」の文字が存在することをもって、本願商標がポロバイラルフローレン社の商品と出所の混同を起こす等と判断することは、全く現実の商取引の実態の認識を誤った判断といわなければならず、本願商標は、ポロバイラルフローレン社の商品と商品の出所について混同を生じさせることはない。 4 当審の判断 (1)「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標の周知性について 株式会社講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。 ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。 そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。 また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。他にこれを覆すに足りる証拠はない。なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。 以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表すものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。 (2)本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成全体をもって特定の意味合いを表す語として認識し、理解されるものとは認められないものであるばかりでなく、「POLO」の文字部分は、ポロ竸技を認識させるものであり、「M.ELLIOT」の文字部分はファーストネイムの略字と欧米人の男子名を認識させるものであることから、本願商標はこれら2語よりなる商標とみるのが相当といえる。 そうすると、本願商標は、構成中に「POLO」の文字を有するものと容易に認識、理解されるものであり、また、本願の指定商品は、ファションに関連する商品であって、統一ブランドの下にトータル的にファションをまとめようとする昨今においては、本願商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記した実状からラルフ・ローレンのデザインに係る商品であるかの如く認識し、ラルフローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 1999-05-21 |
結審通知日 | 1999-06-18 |
審決日 | 1999-09-30 |
出願番号 | 商願平3-133653 |
審決分類 |
T
1
8・
271-
Z
(117 )
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 前山 るり子、小林 ▲薫▼ |
特許庁審判長 |
板垣 健輔 |
特許庁審判官 |
神田 忠雄 上村 勉 |
商標の称呼 | 1=ポロエムエリオ+ツト 2=ポロ 3=エリオ+ツト |
代理人 | 松浦 恵治 |