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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない 117
管理番号 1004181 
審判番号 審判1994-3402 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1994-02-25 
確定日 1999-08-06 
事件の表示 平成3年商標登録願第12816号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。),布製身回品(他の類に属するものを除く。),寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成3年2月13日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
これに対して、原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第2468427号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、第17類「被服,その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和48年9日26日に登録出願、平成4年10日30日に登録されたものである。
3 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
(株)講談社昭和53年7月発行「男の一流大図鑑」、(株)講談社昭和55年6月発行「世界の一流品大図鑑′80年版」、サンケイマーケティング昭和58年9月発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、昭和53年2月16日付日本経済新聞(夕刊、全面広告)等によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年に2回受賞するとともに、数々の賞を受賞した。1974年の映画「華麗なるギヤッツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立し、国際的に名を知られるようになった。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品は「Polo」の文字とともに[by LRALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
なお、東京地裁平8特(わ)1519(平成9年3月24日判決言渡)においても、引用商標の著名性が認定されている。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、我が国においては遅くても本願出願の時には、すでに取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別紙に表示したとおり、図形のみからなるものである。
他方、引用商標は、別紙に表示したとおり、上段に図形を描き、下段に「RALPHLAUREN」の文字を横書きしてなるものであるところ、かかる構成において、図形部分と文字部分は、視覚的に分離してみられるばかりでなく、これらを常に一体不可分のものとしてのみ認識し把握しなければならない特段の事情を見出せないものであるから、上段の図形部分は、独立して看者の注意を強く惹き、かつ、それのみで自他商品の識別機能を果たしうるものとみるのが相当である。
そこで、本願商標を構成する図形と引用商標の図形部分の類否についてみると、両図形は、共にポロプレーヤーの図形であると容易に理解されるところ、直接比較対照して仔細に観察すれば、前者は実線で描かれているのに対し、後者は連続する黒点で描かれていること、また、馬の体の傾き角度、マレットと称するスティックの振り上げ角度等の相違点が認められるとしても、全体としてはポロプレーヤーが馬に跨りスティックを頭上に振り上げているという点において、両図形は構成の軌を一にするものというべきであり、全体から受ける視覚印象が似ているものと認められる。したがって、時と所を異にして接するときは、両図形の異同の識別は難しいといわざるを得ず、また前記認定のとおり引用商標のポロプレーヤーの図形が高い著名性を有していることを考慮すると、本願商標は、その指定商品である「被服等」に使用をする場合には、これに接する取引者、需要者はラルフ・ローレンまたは同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
また、両商標の図形部分は、共にポロ競技中の選手を表示してなるものであるから、「ポロプレーヤー」の観念が生じるものと認められる。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、[RALPHLAUREN」の欧文字の有無の相違点を考慮しても、外観、観念において類似する商標と判断するのが相当である。
また、指定商品においても、本願商標は、引用商標に係る指定商品と同一の商品に使用するものと認められる。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 紙


審理終結日 1999-05-19 
結審通知日 1999-06-04 
審決日 1999-06-14 
出願番号 商願平3-12816 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (117 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 茂久尾原 静夫 
特許庁審判長 板垣 健輔
特許庁審判官 杉山 和江
内山 進
代理人 松浦 恵治 

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